小さい筐体に極限の性能を詰め込んだゲーミングマシン「Intel NUC6i7KYK Skull Canyon」レビュー

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今まで拡張性重視でフルタワーのマシンを使っていましたが、狭い部屋に引っ越した時に気づきました。すごく邪魔だなって。というわけで、小型で高性能のNUC(Next Unit of Computing)を購入したのでレビューします。今までのNUCとはコンセプトが異なる面白い製品です。

外観

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ACアダプタ・本体・交換用天板・マニュアル・保証書・ネジ類・VESAマウント取り付け用金具
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フロントは電源ボタン・SDカードスロット・USB3.0×2・3.5mmヘッドセットジャック・赤外線ポート
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バックはDCジャック・3.5mmコンボジャック・Gigabit Ethernet・USB3.0×2・mini DisplayPort 1.2・USB3.1・HDMI 2.0
片手で持てるサイズ
片手で持てるコンパクトサイズ

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外観の特徴は強そうなスカルマーク。好みが分かれるところだと思いますが、スカルなしの天板に交換することもできます。

従来のNUC(左)より幅が大きくなりましたが、厚みは抑えられています。形状は大きく変わったものの、VESAマウントに取り付けられる点は引き継いでいます。

組み立て

購入したのは、いわゆるべアボーンでRAM・SSD・OSは別売りとなっています。購入後に組み立ててOSをセットアップできる人向けの製品です。ハードルが高いと感じたらBTOで購入した方が無難です。

RAMはDDR4 SO-DIMMを使います。僕は8GB×2の16GBにしましたが、最大16GB×2で32GB搭載できます。ちなみに、XMP(Extreme Memory Profile)メモリも使用できます。

ストレージの接続端子はM.2しかないため、必然的にSSDとなります。ここから少し難しい話になりますが、M.2の中にもSATAとNVMeの2種類存在しています。細かいことを説明すると長くなるので、簡単に説明するとSATAより高速なのがNVMeのSSDと思ってもらえれば問題ないです。その分高いんですけどね。

高速化の背景にはキュー数の増加がありますが、通常の用途であればそれだけのキューをフルで使うことは滅多にないので、SATAのSSDでも十分かもしれません。というか、スコアでは圧倒的な差が出ても体感速度はさほど差がないと感じました。

組み立ての手順を簡単にご紹介しておきますね。流れは掴めると思うので、詳細はマニュアルを見て作業してください。背面のネジとパネルを外したら、RAMとSSDを取り付けます。切り欠きを確認して金属部分を斜めに奥まで差し込み、水平になるように押します。RAMはカチっと音がしたらOKで、SSDはネジで固定します。あとは逆の手順で背面パネルを戻していきます。

組み立てが終わったら電源を入れてOSをセットアップしたいところですが、ここで落とし穴がありました。ACアダプタは同梱されていますが、コンセントケーブルは別売り。しかもミッキータイプです。

べアボーンは電源ケーブルを別途購入する必要がありますが、BTOメーカーが組み立てて販売しているものには同梱されているものもあるようなので、事前にチェックしておきたいポイントです。

性能をチェック

CPUやGPUの性能をベンチマークスコアで見ていきます。先ほどご紹介したパーツ構成でテストしています。電源プランはバランスで、オーバークロックはしていません。

Intel NUC6i7KYK Skull Canyon Asahina Edition

OS Windows 10 Pro
CPU Intel Core i7-6770HQ Quad-Core 2.6GHz 〜3.5GHz(Turbo Boost)
GPU Intel Iris Graphics Pro 580
RAM 16GB(DDR4-2133)
SSD M.2 NVMe 256GB

CINEBENCH

CINEBENCH

なぜかOSがWindows 8で認識されていますが、Windows 10で動かしています。OpenGLのスコアは内蔵GPUとしては上々です。CPUはSkylake世代ですが、HQ(モバイル向け)なので、Haswell世代のCore i7-4770Kに負けています。まぁ、こんなもんでしょう。

ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク

FF

高いスペックを要求するゲームとして知られる「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク」を走らせてみました。解像度1280×720で、デスクトップPC向けの標準品質で測定してみると、「とても快適」という結果になりましたが、ところどころフレームレートが極端に低下する場面がありました。

CrystalDiskMark

CrystalDiskMark

システムストレージの速度を測定しました。以前使用していたSSD(SATA3)に圧勝で、さすがNVMeといったところ。体感速度はちょっと早くなったかなと感じる程度です。

Intel Iris Graphics Pro 580は4K出力も余裕

Overwatch
Overwatchを4Kでプレイ

4K/60Hzで映像出力はもちろん、FPSゲームのOverwatchをプレイすることもできました。ただし、かなり負荷が掛かり高温になるためファンの音がうるさいです。小さな筐体にパーツが詰め込まれているため、お世辞にも排熱効率が良いとは言えませんが、サーマルスロットリングが発生することはありませんでした。

拡張性

Razer CoreはビデオカードをThunderbolt 3で外付けする製品です。Skull CanyonのUSB3.1(Thnderbolt 3兼用)に接続できます。デスクトップPC持ってるけど、ビデオカードしか挿してないよって人はもうNUCで十分かもしれません。

ちなみに記事執筆現在、国内の発売日は未定ですが、すでに発売されている海外の定価は499ドルです。爆速なThunderbolt 3の活用方法としては実用的だけど、ちょっと高い気がしますね。

まとめ

CPU内蔵グラフィックスの中では抜群の性能を誇るIntel Iris Pro Graphics 580を搭載していて、このサイズにしてはハイパフォーマンスだと感じました。この小ささに限界の性能を詰め込んだ1台と言えます。

Razer Coreでビデオカードを外付けするなど、お金を積めばデスクトップPCの性能に近づけることができます。広い設置スペースが確保できるなら、通常規格で組んだマシンの方がコストパフォーマンスやエアフローで優れているのは言うまでもありません。

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