FREETELの新フラッグシップモデル「FREETEL KIWAMI2」を、発売前にお借りしているので一足先にレビューします。2016年12月26日に発売予定で、価格は49,800円(税別)です。
なお、レビューで使用しているのは発売前の実機です。ソフトウェアは発売直前までブラッシュアップしているとのことで、実際の製品と異なる可能性があることはご了承ください。
スペックとベンチマークスコア
FREETEL KIWAMI2 スペック
OS | Android 6.0 Marshmallow(Android 7.0 Nougatにアップデート予定) |
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SoC | MediaTek helio X20 MT6797 Deca-core (2.1~2.3GHz Dual-core+1.85GHz Quad-core+1.4GHz Quad-core) |
RAM | 4GB |
ROM | 64GB |
ディスプレイ | 約5.7インチ WQHD(1440 × 2560) |
カメラ | リア:16MP フロント:8MP |
バッテリー容量 | 3,400mAh(交換不可) |
サイズ | 高さ 約157.2 × 幅 約77.5 × 厚さ 約7.2mm |
重量 | 約168g |
Wi-Fi | IEEE802.11 a/ac/b/g/n(2.4GHZ&5GHz) |
Bluetooth | Version:4.1 High Speed Power class:class1 Profile:HSP/A2DP/AVRCP/HFP/HID/HDP/MAP/PAN/OPP/PBAP |
ネットワーク | 2G(GSM):850/900/1800/1900MHz 3G(WCDMA):Band 1/5/6/19/8 4G(FDD LTE):Band 1/2/3/4/5/7/8/12/17/19/28B |
カラー | メタルシルバー |
AnTuTu Benchmark v.6.0.1のスコアです。Qualcomm Snapdragon 625を少し上回る性能です。大手スマートフォンメーカーの現行フラッグシップモデルが搭載しているQualcomm Snapdragon 820と比較すると、ギリギリ半分に届くかどうかといったところ。
実は公式サイトにベンチマークスコアが掲載されています。注釈に注目すると、不要なソフトを無効化し、本体を冷却しながら測定しているようです。PCで例えるなら、液体窒素を使ってオーバークロックしてる感じ。普通に測定すると、8万点台後半から9万点台前半でした。
外観









FREETEL REIのデザインを継承
FREETEL REIと同様にメタルボディを採用していて、見た目は変わっていません。というか、ほぼ同じですが、フロントベゼル部分の紗綾形がなくなっています。差別化しづらいフロントのアクセントになっていたと思うので、無地になってしまったのは少し残念。
ハードウェア
メタルボディは高級感があります。エッジはきれいに処理されているので、ホールド感は悪くないです。カラーはメタルシルバーのみとなっています。メタルボディながらカラフルなカラーバリエーションが魅力のFREETEL REIとは位置づけが異なりますが、もう少し選択肢があってもいいと思いました。
前モデルでは搭載されていたNFCが非搭載となりました。金属筐体にNFCを搭載するのは困難ですが、Xperia XZはフロントに移動することで解決しているので、ここは工夫で乗り越えてほしかったところ。

ディスプレイサイズは約5.7インチで、スマートフォンとしては大きめ。約5.5インチのiPhone 7 Plusとサイズを比較してみると同じくらいです。でも、iPhone 7 Plusはディスプレイサイズの割に本体サイズが大きいんですよね。

というわけで、同じ約5.7インチのLumia 950 XLと並べてみました。物理ボタンがある分、FREETEL KIWAMI2のほうが縦長ですが、横幅は同じくらいです。約5.7インチのスマートフォンにしては一般的なサイズと言えます。
ソフトウェア
FREETEL REIと同時に登場し、現行モデルにも搭載されているFREETEL UI(FREETEL独自のユーザインタフェース)はバージョンが2.0になりました。以前のバージョンとは比べ物にならないほど変わっていたので、大きな改善点をピックアップしてご紹介します。
スワイプアップランチャー
FREETEL UI 2.0からアイコンを自由に並べ替えられるようになり、使い勝手が向上しています。これで、クイック設定パネルとほぼ同等の機能性を実現しています。
スワイプアップランチャーを無効化することもできるようになっており、その場合はAndroid標準のクイック設定パネルが使えます。
FREETEL KEY
本体が大きいこともあり、本体側面のハードウェアボタンを押しにくいと感じるかもしれません。そんなときは、ワンタッチでボリュームコントロールやナビゲーションバーの機能にアクセスできるFREETEL KEYが便利です。iOSのAssistiveTouchと似ていますね。
特徴
片手での操作性を重視したFREETELボタン
Androidのナビゲーションバーのボタン(戻る・ホーム・アプリ履歴)の機能を1つに集約しています。ディスプレイサイズが大きいので、物理ボタンひとつで操作を完結できるのは便利です。ただ、ボタンのクリック感があまり好みじゃないです。iPhoneやGalaxyに慣れているからかもしれませんが。

FREETELボタンの機能は、ややiOSライクに機能が割り当てられています。設定から自由にカスタマイズできるようになっているので、使いやすいように変更することもできます。
FREETELボタンの挙動
画面ロック時 | 指紋認証解除 |
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軽くタップ | 1つ前の画面に戻る |
1回押す | ホーム画面に戻る |
2回押す | アプリ履歴画面が表示される |
長押し | Now on Tapが起動 |
美しく魅せるMiraVision

ディスプレイの色を細かく調整できる機能です。おすすめは「鮮やかな」モード。あと、ダイナミックコントラストとブルーライトディフェンダーもぜひ活用してほしい機能です。ダイナミックコントラストは明暗にメリハリがつき、ブルーライトディフェンダーは目に優しい暖色系の色味で表示してくれます。
Direct HD Soundでイイ音を楽しもう

イヤホンやヘッドフォンを接続したとき、Direct HD Soundのイコライザーで音を変えられます。自由にカスタマイズすることもできますし、ジャンルに合わせてプリセットされているものを使ってもいいですね。スマートフォンを音楽プレーヤーとしても使う人なら、重宝する機能ではないしょうか。
新スタンダードUSB Type-Cを搭載
USB Type-Cはリバーシブルなコネクタで、上下関係なく挿せるのが特徴です。ちなみに、FREETEL KIWAMI2は急速充電に対応しているので、大容量のバッテリーを素早く充電できます。
DSDSに対応

デュアルSIMデュアルスタンバイは、2枚のSIMカードの回線で同時に待ち受けできます。これにより、通話用とデータ通信用でわけていたSIMカードを1台にまとめるといった使い方が可能になり、使い方の幅が広がりますね。
最近話題のDSDSに対応してきたのは評価したいところですが、microSDカードが使えなくなったのはマイナスポイントです。microSDカードと共存できる排他スロットであれば、容量かDSDSか、ユーザーが選択できてよかったと思います。
カメラ性能
初代FREETEL KIWAMIのメインカメラは2100万画素だったので、画素数自体は低下しています。しかし、1600万画素あれば十分。むしろ、画素数が下がると1画素当たりのセンサー面積が増えて明るく撮れたりするので、画素数だけで判断してはいけません。
FREETEL KIWAMI2で実際に撮影した作例を載せておきます。設定はすべてオートで撮影しました。クリックまたはタップでオリジナルサイズの画像が開きます。
成功例
写りは悪くないですね。ここで一点付け加えておきたいのは、何枚も撮った中から良いものを抜粋しているということ。暗所、接写、動体はピントが合わないことが多かったです。
失敗例
ついでに失敗例を載せておきました。カメラは絶賛調整中とのことで、発売時には改善されているかもしれませんし、今後もアップデートで良くなっていくでしょう。
iPhone 7 Plusと比較
FREETEL KIWAMI2(左) iPhone 7 Plus(右)
最後にiPhone 7 Plusと比較です。健闘していますが、精細さや色味では一歩劣っているように見えます。空を比較するとわかりやすいですね。しっかりチューニングされたら、結構いい線いくと思います。
まとめ:フラッグシップ≠ハイエンド
デザインは嫌いじゃないけど、これFREETEL REIだよねって感じで目新しさはないです。先代は受注生産の和柄モデルもあり、フラッグシップとしての存在感を確立していました。スペックや機能面ではもちろん良くなっていますが、デザインや質感での差別化とインパクトが少し弱いかなと。
性能はFREETELのラインアップの中では最上位です。しかし、スマートフォン市場という広い枠で見ると、ミドルレンジになってしまいます。カメラはチューニング不足なのか、今後に期待したい結果となりました。総合的に判断すると、価格相応のミドルレンジスマートフォンという印象です。
さらなる使いやすさへ挑戦し続け、ユーザーの声を積極的に取り入れる姿勢はFREETELの強みです。価格性能比、いわゆるコストパフォーマンスだけではなく、ソフトウェア面での工夫や継続的なアップデートなども含めて総合的に考えると、ミドルレンジSIMフリースマートフォンの中ではかなり良い選択肢だと思います。