SONYのAマウントフラッグシップ一眼カメラ「α99 II」を購入してから約半年経ちました。原稿の写真や撮影の仕事でガッツリ使い込みました。以前使用していたAPS-Cサイズの「α77」との違いも押さえながらレビューします。
ハイブリッド位相差検出AFシステム
透過ミラーを採用した「トランスルーセントミラー・テクノロジー」は、一般的な一眼レフカメラとは違って撮影時にミラーのアップダウンがなく、常にイメージセンサーとAFセンサーに光が当ります。
このソニー独自のミラーボックスを搭載したことにより、高速かつ高精度なAFと最高12コマ/秒の高速連写の両立を実現したというわけです。
79点のハイブリットクロス測距点
α77(11点クロス19点AFセンサー)と、a99 II(クロスセンサー15点を含む79点専用位相差AFセンサー)のファーカスポイント比較です。こうして並べてみると違いすぎてなんか笑っちゃいますね。
α99 IIは測距エリアが広く、高密度になっていることがわかります。これは明確に違いを感じる部分で、今までオートフォーカスでは苦手だったエリアもしっかりカバーされていて一発でピントが合います。
超高速連写
透過ミラーがアップダウンしないため、約4,240万画素で最高秒間12コマの超高速連写、しかもAF・AE追従という化け物みたいなことができるんですね。動く被写体を撮影する時にとても便利。数打ちゃ当たるんですよ。
実はα77の時も12コマ連写はできたんですが、バッファーがあまりに少なすぎて2、3秒が限界でした。α99ではデータフローの刷新や大容量バッファーの搭載により、連写や撮影後のプレビューがもたつきにくくななっています。
XGA OLED Tru-Finder
電子式ファインダーはファインダー内に有機EL液晶が入っていて、覗くとライブビューモニターが見える感じ。ホワイトバランスや露出などを設定した時に、リアルタイムで確認できるのが本当に便利です。撮影結果が見えているので、撮影ミスが格段に減ります。
ファインダー内で設定画面やデジタル水準器を表示したり、緻密なフォーカス位置調整が可能なピント拡大機能やピントが合っている部分に色がつくピーキング機能なども利用できます。要は液晶ですから、背面液晶と同じことができるわけです。
どんなアングルにも対応できる3軸チルト液晶モニター
α77から採用されている3軸チルト液晶モニターを搭載しており、ハイアングルやローアングルの撮影も容易にこなせます。上下に動くタイプより可動領域が広く、どんなポジションにしても光軸からずれないので、横に開くタイプで感じた違和感がありません。
作例
約4,240万画素の圧倒的な解像性能を存分に堪能できるローパスフィルターレス仕様に加え、光学式5軸ボディ内手ブレ補正機構で角度ブレ、シフトブレ、回転ブレを補正。手持ちでサクッと撮ってもかなりいい感じに撮れます。
リサイズしてますが、現像で味付けしていないJPEG撮って出しです。このままでも十分使えるクオリティだと思います。
写真の一部分を切り出しました。結構拡大しても精細で、高解像性能がよくわかりますね。あいにくの天気でわかりにくいですが、スカイツリー展望台の右上に飛行機が写ってます。
α77は常用ISO100-16000(拡張下限ISO50)でISOオートの上限を1600にしていましたが、α99 IIは常用ISO100-25600(拡張ISO下限ISO50、上限ISO102400)で6400まで上げても大丈夫な感じ。薄暗い場所でもバッチリでした。
小型なボディにここまで詰め込むとは・・・
前モデルのα99よりも小型化し、APS-Cサイズのα77 IIとほぼ同サイズまで小型化を実現。フルサイズ一眼カメラとしては小さい部類ですが、妥協はなく最高峰のテクノロジーが詰まっています。素晴らしい!
小さいといってもフルサイズ一眼カメラの中での話で、本体だけで約770gあります。僕が使っているレンズ(Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM)は約955gなので、合計約1.7kgになります。ぶっちゃけ重いので小さいカメラも欲しい。
愛着が湧くカメラを探そう
α99から約4年、以前使っていたα77から約5年。技術の進歩を感じることができました。Wi-FiとBluetoothが搭載され、モバイルデバイスやBRAVIA、PCなどと無線で接続できて利便性も格段に向上しています。
もともとSONYが好きということもあって、αシリーズを使ってます。今回レビューしたα99 IIは、僕の中ではベストバイなカメラでした。カメラは愛着が湧くものを探すのが重要だと思います。みなさんも手に持った時に撮りたいと思える1台に出会えるといいですね。